Coleopterological Society of Japan

English page


国立科学博物館附属自然教育園(東京都港区白金)の甲虫相調査<速報編>

日本甲虫学会 会長 野村周平

 先の会長挨拶でお知らせしましたように、附属自然教育園の昆虫相調査を昨年度から実施しています。そろそろ調査結果が蓄積してまいりましたので、その結果の一部を以下に速報したく存じます。昨年度の調査は、調査許可が下りるのが遅れたため、7月下旬から開始せざるを得ませんでしたが、今年度は4月当初から開始することができ、春季、初夏季の甲虫相を調査することができました。他の調査員の方々の調査結果のとりまとめは各自にお任せしておりますので、いずれご報告いただくことになると思います。その一方、野村の方では効率を考えて、5月にさなぎ粉トラップ、6月に中瀬式ライトトラップ、7月にバナナトラップを設置し、それぞれ3~4回の回収を行いました。さなぎ粉トラップではオサムシが全く入らず、種数も少なかったようですが、各地でかなり少なくなっていると思われるクロサビイロハネカクシ(下図左)が1頭入り、チビシデムシが多数得られたのが収穫でした。中瀬式ライトトラップは、地上1mの低所と、地上5mの高所とに分けて設置回収を行いました。その回収成果はまだ十分に解析していませんが、1999年の土壌昆虫調査で唯一頭得られていたニセヒゲブトムネトゲアリヅカムシが高所で(下図右)採集できました。これについてはまだ学名がついていなかったので、近日中に命名記載予定です。バナナトラップでは7月上旬に多数のカナブンが入り、下旬ではノコギリクワガタ、コクワガタ、カブトムシなどを採集出来ました。1頭のみでしたが、コカブトムシが採集されました。この調査はまた来年度にかけても継続されます。

      2017年8月21日更新

:さなぎ粉トラップで採集されたクロサビイロハネカクシ;:中瀬式ライトトラップ(高所)の設置状況(白矢印).