Coleopterological Society of Japan

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ベトナム・ピャオアク山の甲虫に再会

日本甲虫学会 会長 野村周平

 甲虫学会会員の皆さん、明けましておめでとうございます。新年が皆様とご家族にとって、最良の年となるよう願っております。今年も昨年に引き続きまして、お引き立ていただきますよう、心からお願い申し上げます。昨年2018年は私にとってなかなか大変な年でした。採集調査のために、フレンチギアナに2回、ミャンマー、ベトナムに各1回出かけました。その中で、8月中旬にベトナムを訪問した時のことをお話しします。 今回のベトナム訪問は、1998年と1999年に訪れたことのある、北部カオバン(Cao Bang)省のピャオアク山(Mt. Phia Oac)を再訪することになりました。ハノイからカオバンへは、途中のタイ・グエンまで高速道路ができていましたが、やはり遠く、日差しが傾きかけたころにようやくたどり着きました。1998, 99年に訪れたときには、山の周囲にホテルがなく、軍用のテントを持って行って、道端にキャンプを張ったものでしたが、今は途中の峠の鞍部に立派なホテルが建っており、そこから毎日通うことになりました。早速山頂(図左)へ向かうと、1時間もかからずにたどり着くことができました。山頂には軍の施設があり、それを取り巻くように歩道や駐車場が整備されていました。
 それから数日間、ホテルと山頂を往復してライトトラップやウィンクラー装置でアリヅカムシやその他の甲虫を採集しました。アリヅカムシでは、1998, 99年時に採集していた、Nomuraius属の新種を再び採集することができました。また灯火採集も行って、カツラキンオニクワガタ(Prismognathus katsurai(図右)などの興味深い甲虫を手にすることができました。ピャオアク山の山頂域は今のところうっそうとした雲霧林ですが、登山道の開削や、休日盛んに上ってくる観光バスの排気ガスで、林の乾燥化が進むのではないかと心配です。
:ピャオアク山山頂方面遠望;:灯火採集で採集されたカツラキンオニクワガタ.