Coleopterological Society of Japan

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マイクロCTの甲虫学への貢献

日本甲虫学会 会長 野村周平

 皆さんはマイクロフォーカスX線CT(通称マイクロCT)をご存知でしょうか?今や大きな病院には必ずある、人間用のCTスキャンを改良して、非常に小さい材料についても詳細に3Dデータや内部構造についてのデータが取れるようにしたものです。原理的には人間用のものと同じで、一方向からX線を照射し、反対側のスクリーンに映る断層写真を、サンプルの端から端まで多数撮影し、積層することによって、内部構造を含む3Dデータを得ることができます。
 これを使って昆虫のサンプルをスキャンすると、頭の先から尻尾の先まで、内部構造まで完全に再現された3D画像を得ることができます。このデータを使ってサンプルを縦、横、前後にカットした画像を作ることもできますし、3Dプリンターで拡大フィギュアを作成したりすることもできます。ここではノコギリクワガタとハチジョウノコギリクワガタの胸部飛翔筋を比較した画像を示します。これからの甲虫形態学はこのような3D画像が多く用いられることになると予想しています。
ノコギリクワガタ(左)とハチジョウノコギリクワガタ(右)の胸部飛翔筋の比較。
ノコギリでは発達している飛翔筋がハチジョウでは完全に退化している。